ゴミ屋敷に発生する害虫は多種多様ですが、特に遭遇率が高く、被害も大きい代表格がいます。それは「ゴキブリ」「ハエ(コバエ)」「ダニ」の三種類です。それぞれの生態と弱点を理解し、的を射た対策を講じることが、問題解決への近道となります。まず、最強の敵ともいえる「ゴキブリ」。彼らが好むのは、暖かく、湿っていて、暗くて狭い場所です。そして、何より食べ物のカスや油汚れが大好きです。対策の基本は、餌となる生ゴミや食品クズを徹底的に排除することです。キッチン周りを清潔に保ち、食べ物は必ず密閉容器に入れる。彼らの絶好の隠れ家となる段ボールや新聞紙の束を長期間放置しないことも非常に重要です。侵入経路となる排水口や換気扇、エアコンのドレンホースの隙間などを、専用のキャップやパテで塞ぐのも効果的な予防策です。次に、不衛生の象徴「ハエ(主にコバエ類)」。彼らの発生源は、腐敗した生ゴミや汚れた排水口、観葉植物の土などです。対策はシンプルで、発生源を断つことです。生ゴミは密閉してこまめに捨て、排水口は定期的にパイプクリーナーなどで洗浄し、ヘドロを溜めないようにしましょう。めんつゆトラップなども一時的な捕獲には有効ですが、根本解決にはなりません。最後に、目に見えない脅威「ダニ」。彼らは人のフケやアカ、ホコリなどを餌にし、高温多湿の環境を好みます。布団やカーペット、布製のソファ、ぬいぐるみなどが主な生息地です。ゴミ屋敷清掃が得意な渋谷区の業者によると対策は、こまめな掃除と換気が基本です。掃除機を丁寧かけ、寝具は定期的に天日干ししたり、布団乾燥機を使ったりして湿気を飛ばしましょう。布製品を減らし、床をフローリングにするなど、ダニがそもそも繁殖しにくい環境を作ることも有効な対策です。これらの害虫は、それぞれ好む環境が異なりますが、ゴミ屋敷は、その全ての条件を奇跡的に満たしてしまう最悪の環境なのです。敵を知り、その住処と餌を奪うこと。それが、害虫駆除の鉄則です。