「お金がない」という経済的な困窮は、ゴミ屋敷化の直接的な原因となるだけでなく、ゴミ屋敷化によって生じる様々なリスクをさらに増大させる要因ともなります。経済的な余裕がないために必要な対策が取れず、問題がより深刻化してしまうのです。まず、健康リスクの増大です。ゴミ屋敷は非常に不衛生な環境であり、カビ、ダニ、ゴキブリ、ネズミといった害虫や害獣が発生し、病原菌やウイルスが蔓延している可能性が高いです。お金がないため、適切な清掃用品や消毒剤を購入できなかったり、害虫駆除業者に依頼できなかったりすることで、これらの衛生問題が悪化し、健康を損なうリスクが高まります。感染症にかかったり、アレルギー症状が悪化したりする可能性があります。次に、安全リスクの増大です。物が積み重なって足元が見えにくく、転倒する危険が高まります。また、積み重なった物が崩れて下敷きになるリスクもゼロではありません。火災のリスクも著しく高まります。電気製品のコードがゴミに埋もれてショートしたり、タバコの火がゴミに引火したりする危険があります。お金がないため、老朽化した電気製品を交換できなかったり、火災報知機を設置できなかったりすることで、火災発生のリスクと、発生した場合の被害がより大きくなる可能性があります。近隣トラブルのリスクも増大します。悪臭や害虫の発生は、近隣住民の生活環境を損ない、苦情やトラブルの原因となります。お金がないため、悪臭対策や害虫駆除を十分に行えなかったり、近隣からの苦情に対して適切な対応ができなかったりすることで、問題がさらにこじれる可能性があります。最悪の場合、自治体からの指導や勧告、さらには行政代執行といった事態に発展し、結果的に高額な費用を請求される可能性もゼロではありません。